1. 金型台帳のクラウド化のコスト
これまでのブログでもお伝えしてきたように、金型の管理はクラウド化して共有管理するのが理想です。
金型台帳のクラウド化については、
等でお話してきましたので、そちらもぜひご覧ください。金型の管理をデジタル化、クラウド化するうえで必ず参考になると思います。
さて、上記の「金型台帳のクラウド化実践例ーExcelの共有ー」でも触れましたが、Excelファイルのクラウド化にはOneDriveの契約が必要になります。
OneDriveはそれ単体でも契約できますが、一般的にはMicsoft365というOneDrive以外にもExcel、Word、Powerpoint も一緒に使えるようになるプランに契約するのが通常かと思います。
当然ながら、これにはお金がかかります。つまりコスト増なのです。
Microsoft365について確認してみましょう。
いろいろなプランがありますが、最もベーシックなものとだと、1ユーザーあたりの月額で899円~となります。

プランに含まれる機能で実現できることを考えると決して高額とは言えないと思います。
一方で、例えばその工場に100人勤めているという場合、その全員にMicrosoft365のアカウントを用意すると、月額で89,900円、年間では100万円を超える出費になります。
工場などの製造業の現場は特にコスト意識が高いため、年間100万円の出費となると、なかなかの負担に感じるのも無理はありません。
また、事務職であればPCに接する時間も長いため、これらのサービスの恩恵を受ける程度も大きいですが、普段から現場で生産活動を行っている現場作業員にはその恩恵が少なく割高なのではないか?という意見もあると思います。これも理にかなったご意見かと思います。
2. 実は「フロントワーカー向けプラン」がある
今回、ぜひ知っていただきたいことは、上記のような意見をMicrosoft社も把握しているらしく、ちゃんと現場職(Frontline Worker)向けの専用プランが用意されていることです。
それが、Microsoft 365 F1 / F3 というようなプランです。
F1/F3 の”F”はFrontline つまり現場職を意味しています。工場で現場作業をしている人や、飲食業で接客を主に行っている人が利用することを想定したプランです。
このプランの特徴は、現場職の人が使わないであろう機能を制限し、その分価格を抑えてることです。
Microsoft 365 F1 の場合、最も安いと、1ユーザーあたり月額262円から利用できます。

このプランであれば、100人分用意しても、26,200円/月となり、年間でも30万円強に留まります。
上記のF1プランには、ExcelやOneDrive も含まれているので、F1プランで十分、金型台帳のクラウド化は実現できます。
当然、金型台帳のクラウド化以外にも活用できます。
なお、このF1プランは現場職向けということで、利用できる人の資格には制限があります。
例えば管理職のように基本的に事務所にいて自分専用のPCがあるという人は活用できませんので、注意が必要です。
詳細は利用条件についてはMicrosoftの相談窓口に質問すると詳しく案内があると思います。
3. まとめ
以前のブログで、Excelの共有による金型台帳のクラウド化を紹介しました。
クラウド化は非常に便利ですが、費用が掛かることは否定できず、その点について懸念を持たれる方々もいらっしゃるのではないかと思いました。
しかし、コストを理由に金型の管理を従前のやり方で続けてしまうのは生産性を押し下げてしまい勿体ないです。
そこで今回は、私たちが発信している金型台帳のクラウド化は意外と低額で実現できると知っていただくために、
Microsoft 365 F1 などの現場職向けプランをご紹介いたしました。
ぜひ、これらのプランを活用しながら、金型台帳のクラウド化を実現していっていただければ幸いです。
なお、今回はMicrosoft 365について紹介しましたが、Google Workplaceも同じように現場職向けのプランを用意しています。
Google派の人たちもこれを活用することで節約しながら金型台帳のクラウド化を進めていただければ幸いです。
私たちKANAGATAYAは、今後も、積極的に情報発信を行っていきたいと考えています。
またそれと同時に
「うちではこうやって管理している」という意見や、
「ブログを読んで実践してみたけど、この部分はうまくいかない」などのご意見もお待ちしています。
それぞれの現場の知見を共有・交換し合うことで、よりよい金型管理の形を探っていければと思います。
もし、「こういう話題について書いてほしい」「直接会ってもっと多くの話を聞きたい」「勉強会を開いてほしい、勉強会に参加したい」などのご要望があれば、
ぜひお気軽にこちらからお問い合わせください。

