実際にNotionで金型管理をしてみて見えてきたこと
以前のブログで、当社がNotionを使って金型の台帳やメンテナンス記録を管理していることをご紹介しました。
Notionを使えば、写真や図面を貼り付けたり、メンテナンス履歴を簡単に残せたりと、これまでのExcel管理では難しかったことがスムーズにできます。
実際、現場と管理側が同じ情報をリアルタイムで共有できるのはとても便利です。
しかし、運用を続けていく中で「現場で使っているからこそ気づく課題」も見えてきました。
そのひとつが、記録の信頼性です。
記録が残るのは良い。でも「編集できてしまう」
ある方から、こんな鋭いご指摘をいただきました。
「Notionでメンテナンス記録を共有するのはいいけど、預かり側がいつでも編集できるなら、正式な記録としては不完全では?」
まさにその通りです。
共有先の顧客の権限は制限できても、こちら側は常にNotionのページは編集が自由です。
当社では現状トラブルはありませんが、たとえば有償の定期メンテナンス契約などの場合、あとから内容が修正できる状態というのは、信頼性の面で課題になります。
顧客側もNotionの更新履歴を直接確認できるわけではないため、もしこちら側が悪意をもって記録を改ざんし始めてもそれを証明しようがないのです。
つまり、Notionは情報共有に非常に便利だが、そのまま「証憑」として使うには一工夫が必要だということです。
対応策:Notion+エクスポート+電子署名
この課題に対して、私たちはシンプルな解決策を取り入れています。
それは、Notionに記載した内容をPDFなどにエクスポートし、正式な報告書として納品するという方法です。
Notionでのエクスポート方法
Notion ではそれぞれのページをPDF等の形式で出力することができます。下記にその手順を述べます。
- エクスポートしたいページを開き、右上の「・・・」をクリックします。

- [エクスポート]をクリックします。

- エクスポートしたいファイル形式を選択し、[エクスポート]をクリックするとダウンロードが始まります。

Notion上でメンテナンス内容をまとめ、完成後に「PDF出力→顧客へ送付」することで、報告時点の情報を固定化できます。
これなら、記録の改ざんリスクを排除でき、顧客側の安心感がより強まります。
さらに、より堅牢にするには電子署名(デジタルサイン)を組み合わせるのも有効です。
紙の報告書に押印しても、いつ押したのかは分かりません。
しかし電子署名なら、署名の日時が自動的に記録されるため、むしろ紙よりも高い信頼性を実現できます。
必要に応じて検討してみるのもいいかもしれません。
まとめ
Notionのようなクラウドツールは、情報共有の効率を飛躍的に高めてくれます。
ただ、実際に使ってみると「意外とこういうところに課題があるのでは?」という気づきも出てきます。
大事なのは、使ってみて課題を見つけ、それを対策していくというサイクルを繰り返すこと。
私たちも実際の運用を通じて、便利さの裏にあるリスクや改善のヒントを少しずつ見つけてきました。
こうした気づきは、他の会社でもきっと共通する部分があると思います。
だからこそ、私たちは自分たちの試行錯誤を積極的に公開し、同じような課題を抱える方たちの参考になればと考えています。
ツールをどう使いこなすか。
その過程も含めて、より良い「令和の現場力」をつくっていけたらと思います。
私たちKANAGATAYAは、今後も、積極的に情報発信を行っていきたいと考えています。
またそれと同時に
「うちではこうやって管理している」という意見や、
「ブログを読んで実践してみたけど、この部分はうまくいかない」などのご意見もお待ちしています。
それぞれの現場の知見を共有・交換し合うことで、よりよい金型管理の形を探っていければと思います。
もし、「こういう話題について書いてほしい」「直接会ってもっと多くの話を聞きたい」「勉強会を開いてほしい、勉強会に参加したい」などのご要望があれば、
ぜひお気軽にこちらからお問い合わせください。

