QRコードを用いた金型管理方法
先日のブログで、経産省の型管理運用マニュアルで紹介されていた金型管理にQRコード(*1)をつかったDX化の取り組みの実現方法について紹介しました。
(*1)QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です / QR Code is a registered trademark of DENSO WAVE INCORPORATED in Japan and in other countries.
タイトル:金型管理にQRコードを導入する方法|経産省マニュアルを現場で再現してみた
URL : https://kanagataya.jp/blog/kanagata-qr-code/
その中で、金型にQRコードが印刷された紙をテープで固定し、DX化を実際に試してみるというところがありました。

金型にその金型の管理ページへのQRコードを貼り付けておくことで金型の管理はかなり楽になると思います。
QRコードの貼り付け方を考えよう
さて、以前のブログではとりあえず試しでテープで固定しました。
さすがに実際の運用でこのままというわけにはいきません。
前回のブログのなかでは、「正式な採用の際にはラベルシートを印刷して貼り付けたりするかと思います」とも書いていました。
実際、当初はラベルを印刷する機械で、ラベルを作成し金型に張り付けることを考えていましたが、
「ラベル印刷機で専用ラベルを作って貼り付ける」方法は今回は棚上げしました。
理由は単純で、私が社内のどこにラベル印刷機があるのか、すぐに分からなかったからです。
そこで、ふと100円ショップで目に入った 市販のネームプレート(名札ケース) を使って試してみることにしました。
想定されてる用途は名札をいれてロッカーに貼ること等のようです。
紙に印刷したQRコードを入れて、名札ケースごと金型に貼り付ける方式です。

DX化といいながら、結構アナログなことをするんだなと思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、DX化だからといって、気負う必要はまったくありません。
とにかく簡単に試せることをやってみればいいのです。
実際、下記に紹介するように、「意外とこれでいいな」となるものです。
QRコードはしっかり固定されるのに、着脱は自由
金型は鉄でできていますので、磁石で結構しっかりくっつきます。
しかし、強力すぎて剥がせないわけでもなく、必要に応じて着脱できる“ちょうどいい強さ”でした。

着脱容易なので、その時々で都合がいい場所に着け直しが簡単にできるのは結構便利そうでした。


ネームプレートを別のところに移動させた様子
ラベルだと、
- 金型の形状は様々なので、必ずラベルの貼り付けに適した面があるとは限らない。
- 個々の金型でラベルの形状やサイズを調整しないといけない。
- ラベルを貼り付けたあとは場所が固定されてしまうので、保管時等にはそのラベルが見やすい方向に必ず置かないといけない
など意外と硬直的です。
今回のネームプレートだと、
- 狭い面でも磁石がくっつくスペースさえあれば、貼り付けることができ自由度が高い
- 貼りつける面からはみ出していても問題なく、形状やサイズの調整が不要なことが多い
- 保管した後に見やすいところに着け直せば良いので、保管時の金型の向きを気にしなくてよい
というように、非常に柔軟に使えるなと思いました。
入手性が良く、導入ハードルが低い
名札ケースは100円ショップ、量販店、ネット通販でも似た製品がいくらでも見つかります。
-
特別な設備(ラベルのプリンター)は不要
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入手性が良い
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コストも安い
現場導入のハードルが低いのも非常に魅力的なところではないでしょうか。
まとめ
実際に金型に付けて使ってみたところ、
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設置が簡単
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取り回しが良い
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見やすさも確保できる
-
現場ごとの金型形状の違いに柔軟に対応できる
と、予想以上に実用的でした。
DX化の本質はいかにQRコードを金型に貼り付けるか?というところにありません。
QRコードがついていればなんでもいいはずです。
意外と大事なのは、こういう認識を持つことなのではないでしょうか。
DX化という名前に押されて何か大掛かりなことをやらなくても、その辺にうってるネームプレートに複合機で紙に印刷されたQRコードを入れておけば十分、DXできます。
もちろん、最終的にさらに洗練された方式が見つかる可能性はありますが、
「まず試す」「すぐ使える仕組みをつくる」という意味では、この名札ケース方式は結構有望なのではないでしょうか。

