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2026.08.17

金型メンテナンス

ブランク型をレーザー切断に置き換える|少量生産で金型を減らす提案

KANAGATAYAの金型サービスというと、修理・改造・メンテナンスをイメージされる方が多いと思います。もちろんそれが本業です。

ただ、日々いろいろな会社の金型をお預かりしていると、「このブランク型、もうレーザーで切ったほうが合理的なのでは」と感じることがよくあります。直すだけではもったいない、という感覚です。

今回はそんな、「金型を直す」のではなく「金型を減らす」提案のお話です。

金型の作り方は、会社によって驚くほど違う

金型のメンテナンスをしていると、実にさまざまな会社の金型を見ることになります。そこで気づくのは、同じような部品を作るのでも、金型の設計思想が会社によってまったく違うということです。

たとえば、ちょっとした加工のためにわざわざ専用の金型を1つ起こしている。2つの金型を使って2工程でプレスしている。それ自体が間違いというわけではありません。その会社なりの経緯や事情があってそうなっているのが普通です。

ただ、外から見ると「これ、1工程でできますよね?」というケースが、実はたくさんあるのです。

そのブランク型、まだ必要ですか?

典型的な例が「ブランク型」です。

プレス加工では、まず材料から部品の外周形状を打ち抜きます。この打ち抜いた素材を「ブランク材」と呼び、そのための専用金型が「ブランク型」です。ブランク型で抜いたあと、別の金型で曲げ・カット・ピアス(穴あけ)などを行う——という工程構成は、量産プレスの定番です。   年間何万個、何十万個と作る自動車部品のような世界では、この構成が合理的です。金型で抜くのが一番速くて安いからです。

しかし、こういうケースはどうでしょうか。

  • 量産のピークが過ぎて、年間数千個程度しか作らなくなった部品
  • 量産が終わり、補給品・補修部品としてぽつぽつ受注が入るだけの部品
  • もともと生産量が少ないのに、慣習的にブランク型を使い続けている部品

 

そういった部品のブランク材はレーザーで切ればいいのです。

レーザーで切ったブランク材を、後工程の曲げ型・カット型に流せば、部品としては同じものができます。 プレス工程が1つ減り、金型が1型減り、型の保管スペースとメンテナンス費用がなくなる。少量生産のフェーズでは、こちらのほうが合理的なケースが多いのです。

ブランク型で抜く場合と、レーザーで切る場合の違い

  従来:ブランク型で抜く 提案:レーザーで切る
金型 ブランク型が必要 不要。既存型は廃却できる
保管 型の保管スペースが必要 保管ゼロ
メンテナンス 定期的な刃先研磨・修理が発生 発生しない
段取り プレス機への型の段取りが毎回必要 段取りなし
手配のスピード 型を出してきて段取りする必要がある データがあればすぐ切れる
1個あたりの加工コスト 数量が多いほど安い 数量が少ないほど有利
向いている生産量 量産 少量・補給品

少量生産では、実際の加工時間よりも段取り時間のほうが長いということも珍しくありません。 数百個のために型を探して運んで段取りして、また片付けて保管する。この一連の手間が丸ごと消えるのが、レーザー化の一番大きな効果です。

レーザー切断に切り替える判断基準

「では、どのくらいの生産量なら切り替えていいのか」というのが、一番知りたいところだと思います。

ひとつの目安として、年間数千個という単位の生産量なら、十分に検討の余地があります。実際、この規模のご相談は非常に多いです。年間数百個や、補給品としてスポットで受注が入るだけの部品であれば、なおさら型を持ち続ける理由は薄くなります。

ただし、これはあくまで目安です。部品のサイズ、板厚、外周形状の長さによって切断時間は大きく変わりますし、当然コストも変わります。

「うちの部品はどうか」は、図面と生産量をいただければ試算できます。感覚で決めずに、一度数字を出してみることをおすすめします。

切り替えにあたって、必ず確認すべきこと

レーザー切断への転換で、実務上いちばんのハードルになるのは熱影響です。

レーザーは熱で材料を溶かして切ります。抜き型のせん断とは切断のメカニズムが違うため、切断面の周辺には多かれ少なかれ熱の影響が残ります。これは事実です。

問題は、その変化が「求める品質に対してどうか」という一点に尽きます。そして、その判断は業界によってかなり分かれます。

熱影響に厳しい業界

自動車分野では、安全性への影響が懸念されるため、レーザーへの変更が認められないケースが多くあります。航空分野も同様に厳格です。

切り替えが進んでいる業界

一方で、熱影響をコントロール可能なものと見積もったうえで、レーザーへ切り替えていく業界もあります。農機・建機の分野にはその傾向があります。

同じ「板金部品」でも、求められる品質基準と、その根拠の置き方が業界によって違う。だからこそ、一律に「レーザーにすべき」「レーザーは不可」とは言えません。ここは個別に判断が必要なところだと考えています。

当社としては、メリットだけを並べて切り替えを勧めることはしません。お客様の業界の基準と、その部品に求められる品質を確認したうえで、「この部品は型で抜き続けるべき」という結論になることもあります。

「レーザーでいけるなら、型は捨てたい」というご相談

最近増えているのが、次のようなご相談です。

年間1,000個程度の生産量の部品がある。これまではブランク型で抜いてきたが、レーザーへの変更を検討している。レーザーで問題ないと判断できれば、型は廃却するつもりだ。

すでに社内で「この型を持ち続けるのは合理的でない」と気づいていて、あとは技術的に成立するかどうかの確認だけ、という段階のご相談です。こうした案件は決して珍しくありません。

金型を保管し続けるコストと、メンテナンスの手間。それを毎年払い続けるかどうかの判断を、多くの会社が今まさに迫られているのだと思います。

2工程の金型を、1工程に

ブランク型に限らず、「2つの金型で2工程かけているものを、金型の改造や統合によって1工程にする」という提案もしています。

工程が1つ減るということは、プレス機の稼働が1回減り、段取りが1回減り、工程間の運搬・仕掛品が減るということです。金型のメンテナンス費用も当然、面数分だけ軽くなります。

長年使ってきた金型ほど、「当時はこれが最適だった」構成のまま今日まで来ていることが多いものです。生産量も設備も変わった今、見直せば減らせるものは意外とあります。

なぜKANAGATAYAがこの提案をできるのか

実は、こうした提案は普通の金型屋さんにはやりにくいものです。「金型を減らしましょう」は、金型を作って売る側からすれば自分の仕事を減らす提案だからです。

当社は金型のメンテナンス・修理を行うと同時に、レーザー加工機や複合加工機、プレス機、溶接設備などをもつ金属加工会社でもあります。だから「この部品は型で抜き続けるべきか、レーザーに切り替えるべきか」を、両方の現場感覚から損得抜きで判断できる。ブランク材のレーザー切断そのものを当社で請けることもできます。

金型を大事に直して長く使う。同時に、役目を終えた金型はきちんと減らす。その両方をやるのが、当社の金型サービスです。

 

まとめ

    • 少量生産・補給品のブランク型は、レーザー切断への置き換えで減らせる可能性がある
    • 年間数千個程度が一つの目安。ただしサイズ・板厚・形状で変わる
    • 熱影響の許容度は業界によって大きく異なるため、変更の可否は個別判断が必要
    • 型が1面減れば、保管スペースもメンテナンス費用も段取り時間もなくなる

「もう使っていないけれど、捨てる判断がつかない金型」はありませんか。

型リストや図面をお送りいただければ、レーザー切断への置き換えで減らせるものがないか、無料で診断します。「この部品は型のままがいい」という結論になれば、そう正直にお伝えします。まずは1型からで構いません。下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。


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