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事例紹介Case Study

大きく破損してしまったプレス金型の修理・改造事例

プレス金型の修理・改造 / 中部地方 / 作業機メーカー 更新日2026年5月13日

【今回の案件について】

本件の金型は、使用時にライナーを用いて高さ調整を行う構造となっていました。
通常は「120mmのライナー」を使用する前提でしたが、ある作業時にオペレーターが誤って「150mmのライナー」を使用してしまいました。

その結果、金型全体の高さが想定よりも高くなり、上型と下型が本来接触しない位置で干渉。
プレス荷重が異常な形で金型に加わり、破損に至ったものです。

本件では、これらの損傷箇所に対して修理対応を実施しました。

 

【金型について】

破損金型の写真

破損金型の写真

用途 : 曲げ用金型
大きさ : 未計測
重量 : 未計測

 

【金型の状態】

上述のようにプレスの力を受けた影響で全体的に大きく破損していました。

上型のパンチホルダーにはパンチが強くめり込み破損していました。
なお、上型にはバッキングプレートがなく直接パンチにかかった荷重がホルダーに伝わる構造になっていました。
バッキングプレートがない理由は不明です。

誤ったライナー使用により破損した金型の上型部のパンチホルダーの歪みの破砕が確認できる状態

パンチホルダーが凹んで破損している様子

一方で、パンチ自体には損傷や変形は見られませんでした。

下型も大きく破損しており、
ダイホルダーは大きく湾曲、下型についていたバッキングプレートは粉々に砕けるなど型全体が大きく破損していました。
プレス金型のダイホルダーが異常荷重により弧を描くように大きく歪んでいる様子
プレス金型の下部に粉砕されたバッキングプレートの破片が散乱している様子

 

 

【処置】

 

■分解

当初の状態では金型自体が変形してしまっており、天井クレーンでは上型と下型を分離することができませんでした。
そこで当社のプレス機に金型を取り付け、徐々に引き離すことで取り外しを行いました。

変形して分離不能となった金型をプレス機を使って取り外している作業の様子

変形により固着した金型を、プレス機の力を利用して慎重に分離・取り外している様子

 

■状態の確認

金型を分解後、破損・変形部分の確認を行いました。
既に写真を掲載した通り、上型、下型ともに多くの破損がありました。

 

■修理作業

本件においては、変形や破損が大きい部品が多く、変形や破損が生じた部品は全て取替となりました。

また、従前の金型は下記のような問題点がありました。

 

  • 上型のパンチにかかる荷重を受け止めるバッキングプレートがなかった(下型にのみバッキングプレートがあった)
  • 金型にガイドがなく精度に不安があった。
  • 金型のサイズ・構造と利用しているプレス機のサイズ・構造があっておらず、段取りしにくい。

そこで、今回の修理作業を期に上記のような問題も同時に解決するための改善も実施しました。

その結果、下記の写真のように、従来の金型から大型化しました。

修理作業後のプレス金型の構成を示した写真。赤枠で従来の金型に相当する中央部分を強調表示している。従前とは大きく構造が異なっている。

修理作業後の金型の様子。ガイドが追加されたこと、バッキングプレートが上型に追加されたことが示されている。

修理作業後の金型

上下のダイセットも、使用するプレス機で使いやすい構造に変更しました。

 

【まとめ】

プレス加工の現場では、段取りミスや条件設定の誤りなどにより、想定外の荷重がかかって金型が破損してしまうケースはゼロではありません。
今回のケースのような変形や破損があった場合、部品は作り直しになることが多いです。

当社ではそれにとどまらず、今回示したようなガイドの追加やバッキングプレートの追加等より良い金型への改善なども行わせいただきます。

他社製の金型についても修理・改造に対応しておりますので、
万が一、金型の破損やトラブルが発生した際は、お気軽にご相談ください。

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