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事例紹介Case Study

最終生産から10年。野ざらし保管のプレス金型のメンテナンス事例

プレス金型のメンテナンス/関東地方/農機系/ 更新日2026年1月22日

【今回の案件について】

最終生産から約10年が経過しており、その間野ざらしで保管されていました。
しかし、補給品としての注文(個数は数個程度)が入ったため、プレスできる状態にメンテナンスが必要な案件でした。
他社製、金型図面なしでの対応です。

金型の数は3セットです。
金型が3つ並んでる様子

 

【金型の状態】

長期間の屋外保管の影響で、金型全体が重度に錆びており、加工面にも錆が発生していました

加工面には塗布された油が固まったものと思われるものがついている金型もありました。

3つの金型ともに、ガイドはなく、上型と下型を分離することには問題ありませんでした。
(ガイドがある場合、ガイド内部が錆びていると、上下の分離に支障がでることがありますが、今回はそれはありませんでした)

 

【処置】

各部の確認

まず、各金型の各部位を確認しました。
金型の図面がないため、構造からするとおそらくそうだろうと推測による部分もありました。
金型の図面はないですが、この金型つかって加工する部品の図面とプレスするにあたってのメモ書きはあったので、それらを参考に金型の各部の働きを確認していきました。

 

清掃・錆取り

金型の加工面にある油汚れを取り除き、その後、スコッチブライト等を使用して加工面の錆を取りました。
錆をある程度落として、鉄の表面が見える状態にしました

 

状態の確認と提案

加工面を改めて確認するとやはり錆の影響で加工面に陥没が見られました。

このままプレスすると、凹凸がワークに転写されてしまうことが想定されます。
一方で磨いて表面を滑らかにすると金型の形状が変わってしまい、元の形状に戻すのには手間がかかるという状況でした。

このケースでは、そもそも注文が10年ぶりで注文数も数個程度、今後の継続的な注文が来る見通しはないという状況であることは事前に把握していました。

加工面の状態はこのままとして、プレスしたワークのほうを仕上げ作業することで今回の注文を乗り切ることが最適解ではないかと提案しました。

結局、その意見が採用され加工面にあった錆をある程度取ったあとは加工面についてはそれ以上加工せずにプレスすることとなりました。

当社のプレス機にて、トライしたところ、金型表面の凹凸がワークに転写されることはなく、仕上げ作業が必要になることはありませんでした。

 

メンテナンス

これらの金型には、クレーンで吊るための機構がなかったので、今後のメンテナンス性を向上させる意味で吊り用のボトルと付け加えました。
プレス金型に吊りボルトを取り付けた様子。吊りボルトのところに赤丸で強調してある。

また、内部のスプリングやネジ等については、劣化が見られるものについては交換を行いました。

以上の改造・メンテナンスを行い、作業は完了となりました。